- ストラトキャスターの特徴とならではのポイント
- テレキャスターの特徴とならではのポイント
- ストラトとテレキャスの違いと選び方
ストラトとテレキャスの歴史
エレキギターの中でも2大巨頭なのがストラトキャスターとテレキャスター。
ですが初心者からするといまいち違いを忘れがちでどっちがどっちだかわからなくなってしまう人も多いです。
違いを明確にするためにまずはストラトとテレキャスの歴史について深堀していきましょう!
まずこの世の中に先に生まれたのはテレキャスターです。テレキャスターはFender社(フェンダー)が1949年頃に制作したのが始まりで、当時はブロードキャスターという名前で発売されていました。
ブロードキャスター(テレキャスター)がこの世で初めてのスパニッシュ•ギター(ボディを抱えて演奏するスタイル)かつソリッドギター(単板のギター)となりました。
それまでアコースティックギターやフルアコ(セミアコ)などのボディ内部に空洞があるギターが主流でソリッドギターはその対極に位置するエレキギターとして誕生しました。
つまりテレキャスターとはソリッドギター(エレキ)の原点と呼ばれている形になるのです。
その後1954年にフェンダーがテレキャスターに歪みに特化したストラトキャスターを開発していきます。
つまりテレキャスターとストラトキャスターはフェンダー初のエレキギターであり、フェンダーの固有名称でもあったのです。
そして同時期の1958年にGibsonは独自のボディ形状を持ったレスポールを発売します。レスポールは発売当時は話題にはなったが売れることはなく今の人気が信じられない状況だったそうです。
テレキャスターの特徴
テレキャスターは先程紹介した通りエレキギターの原点であり、もっともベーシックなギターと言っても良いかもしれません。
サウンドはクリーンな音を得意とするエレキギターです。
カッティングをした時のシャカシャカした音が良く鳴り、高音域が気持ちよく抜けていきます。
ハイポジションをガッツリ弾くというよりコードで鳴らしたりクリーンでお洒落に弾くギターなのでジャズやブルースでよく使われています。
テレキャスター独自のパーツとストラトとの違い
エレベーションプレート
テレキャスターのブリッジ側のピックアップはエレベーションプレートというプレートにマウント(設置)されています。このプレートがあることによりいわゆるテレキャスターらしい音が生み出されています。
3点式セレクター
テレキャスターはピックアップを2基しか搭載していません。そのためピックアップセレクターはストラトとは違い3点式のものが採用されています。(フロント,フロント+リア、リア)
コントロール部分
コントロールノブもボリュームとトーンが1つずつとスッキリした印象になっています。
またコントロール部分はピックガードとは分離しておりコントロールプレートと呼ばれる部分に設置されているのも特徴です。
ピックガード
コントロール部分と分離しているピックガードはブリッジピックアップ(エレベーションプレート)とも分離しており、フロントピックアップのみマウントされています。
シングルカッタウェイ
テレキャスターはシングルカッタウェイとなっています。そもそもカッタウェイを日本語に直すと『CUT(切る)Away(離す)(カッタウェイ)』という意味で切り離した部分を指しています。
つまりカッタウェイとは切除された空間のことで角の部分は実はホーンと呼びます。
テレキャスターはハイポジションの1弦側のみにカッタウェイがあるのが特徴です。
ピックアップ
ピックアップは2基搭載されています。ブリッジ部分にシングルコイルピックアップ、フロント部分にはシングルorハムがカバー付きでついていることが多いです。カバーがあることで高音域が少し減退しますが独特のサウンドとなります。
- サウンドは高音域を得意としクリーンでジャキジャキとした音
- ハイポジションをがっつりというよりコード弾きでも良い音が鳴る
- ブリッジにはエレベーションプレートという独自のパーツ
- ピックアップは2基搭載。ブリッジPUはシングルコイルピックアップ
- コントロールはボリュームとトーン、3点式セレクターのみ
- シングルカッタウェイ
- ボディは比較的真っ平らでのっぺりとした印象
ストラトキャスターの特徴
ストラトキャスターはテレキャスターとは違い歪んだ音やパワフルな音が得意なエレキギターです。
ハイポジションを深く切り取ることで演奏性が向上し、ボディ形状にも色々な加工が加えられプレイヤー目線で作られている部分が多い印象です。
アンプで歪ませても音が潰れないパワーを出せるように設計されており主にロックで活躍しています。
ストラトキャスター独自のパーツとテレキャスとの違い
トレモロブリッジ
テレキャスターはブリッジが完全にボディに固定されていましたがストラトキャスターの種類の中にはトレモロブリッジと呼ばれるブリッジがボディから浮いているものが登場しました。
トレモロブリッジのメリットは音を揺らすことができることです。専用のアームを使うことでブリッジ自体が振動し音程に変化をもたらすことができます。
しかしチューニングがズレやすいというデメリットもありますがここは色々な方法で改善されています。
5点式セレクター
ピックアップが3基搭載されていることによりピックアップセレクターの幅もグンと広がりました。。例えば下記画像のような動きをしたりします。
モデルによってピックアップの動き方は異なるので欲しいストラトのピックアップの種類と選択するピックアップを見てから購入すると良いかもしれません。
搭載しているPUがシングルコイルかハムバッカーかによってバリエーションはさらに増加していきます。
ハムバッカーであれば「コイルタップ」と呼ばれる技術(ハムの片側だけ鳴らす)が絡んできますのでその多さが想像できると思います。
コントロール部分
コントロール部分はマスターボリューム(全PU)とトーンが2つ(フロントやミドルだけなどPUごと)ついています。
ピックガード
ピックガードはコントロール部分も組み込まれてついています。ピックガードの上にコントロール部分を載せることにより、ボディとコントロール部分(ピックガード部分)を別に製作ができるようになり、生産効率が格段に上昇しました。
またピックアップもピックガードに3基ともマウントできるのでこの面でも効率UPに繋がっています。
効率が上がったことで価格を抑えることができるのでプレイヤーとしても嬉しい要素でもあるのです。
ダブルカッタウェイ
ストラトならではのボディ形状がこのダブルカッタウェイです。とはいえダブルカッタウェイの先駆けはプレシジョンベースでした。プレベのボディ形状を参考にストラトは作られたのです。
テレキャスよりもさらに深くハイポジションを抉ることで演奏性が向上しました。
ピックアップ
ピックアップは3基搭載されました。これにより音のバリエーションが増えたことは言うまでもありません。S-S-S(全てシングル)やS-S-H(シングル×2ハム×1)などピックアップ配列も色々な種類が発売されるようになりました。
ピックアップの種類の中でもハムバッカーは音を歪ませてもノイズ(雑音)が出にくいピックアップです。
コンター加工
ボディの形状にも様々な加工が施されるようになりました。コンター(輪郭)加工と呼ばれる加工技術は演奏時に肘に当たる部分やボディバックに削いだような加工を施すことで持った時の安定感やバランスが良くなるようにつけられています。
- 歪んだ音が得意で音のバリエーションも豊富
- ハイポジションが弾きやすくテクニカルなプレイもしやすい
- ブリッジにはトレモロブリッジと呼ばれる浮いたブリッジもある
- ピックアップは3基搭載。
- コントロールはマスターボリュームと2つのトーン、5点式のセレクター
- ダブルカッタウェイ
- ボディ形状はコンター加工が施され安定性が◎
ストラトキャスターとテレキャスターの違いと選び方
ストラトキャスターとテレキャスターの特徴をザッと紹介いたしました。
では違いをまとめてみましょう!
テレキャス | ストラト | |
---|---|---|
サウンド | クリーン | 歪みに強い |
ピックアップの数 | 2基 | 2基〜3基 |
コントロール | トーン1個 | トーン2個 |
セレクター | 3点式 | 5点式 |
ブリッジ | ボディにプレート | トレモロあり |
カッタウェイ | シングル | ダブル |
音楽ジャンル | ブルースやジャズ | ロック |
ストラトとテレキャスが意外と違うエレキギターということが感じとることができます。
とはいえ両者ともフェンダー社が開発した独自のボディシェイプ。
今でもメーカーがテレキャス、ストラトという名称は使っていなくとも形をオマージュして作られたものが多いのはこれらの形がいかに音的に優れているかがわかりますね!
コメント
>ストラトキャスターは歪み用にテレキャスターを進化させて作られたエレキギターです。
え?
ご指摘ありがとうございます。
またこの度は私の間違った見解や誤解を招く記述、大変申し訳ございませんでした。
引き続き正しい情報を掲載できるように努めてまいります。
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