国内の大手楽器メーカー【Ibanez】。
メタル系向けの楽器を主に出す中で、初心者向けだったり変わり種だったりと、色々なジャンルのものを展開しています。
Ibanezのベースといえば、タルマンやSRシリーズ、BTBシリーズなどが人気が高いですがその中でも今回は「ヘッドレス」のEHBシリーズを解説していきます。
EHBシリーズ
Ibanezでは初のヘッドレスとなるEHBシリーズは「Ibanez bass workshop」ブランドに属するエレクトリックベースです。
品番のEHBは「エレクトリックヘッドレスベース」の略でしょうか?(予測です)
最大の特徴は「ヘッドレス」であること。
ヘッドレスとは読んで字のごとくヘッド(ギターのネック上部)がレス(less:より小さい=ほぼない)ということですね。
ヘッドレスであることでベースですが全体の大きさはだいぶコンパクトになりギター用のバッグに収納できるくらいに小さくなっています。
関連記事:【Ibanez】 Talman(タルマン)シリーズをレビュー!ギターとベースの特徴を徹底解説!
品番と種類
EHBシリーズの種類は大きく分けて2種類に分かれています。
- EHB1000シリーズ
- EHB1500シリーズ
EHB1000シリーズはカラーバリエーションが白や黒、水色などの単色のみでネックも5ピース、ボディ材はバスウッドが使われており、価格は1500シリーズよりも安く設定されています。
EHB1500シリーズはボディのトップにポプラ材のバール杢が現れた木材が使われています。ボディに杢目があることで一気に高級感が出てきていますね!ボディ材もアフリカンマホガニーに代わり、ネックも9ピースネックへと変わりました。
品番の末尾についたアルファベットで特徴も変わってくるようです。表にまとめましたので参考にしてください。
品番 | 特徴 |
---|---|
S | ショートスケール |
MS | マルチスケール |
L | レフティモデル |
00 | 4弦 |
05 | 5弦 |
06 | 6弦 |
EHBシリーズの特徴
ヘッドレス
先程も軽く説明しましたが最大の特徴が「ヘッドレス」です。
ヘッドレスの最大のメリットは「取り回しのしやすさ」だと私は思います。
通常のベースに比べると全体の大きさ(長さが)全く違います。どうしても長くなりがちなネックと重量が出てしまうヘッド。この両方が改善されることで演奏時の取り回しのしやすさが抜群に向上します。
しかしスケール(弦長)は864mm(34インチ)と通常と同じサイズになっています。
関連記事:【ギター】ネックスケールの長さの種類と違いを徹底解説!フレット数とは無関係?
ヘッドレスになったからといって出せる音程が変わるわけでもなく、普通のベースと機能的なところは何も変わらないのです。
ショートスケールのモデルもありスケールは762mm(30インチ)となっています。
スケールが長くなれば弦のテンションも高くなり硬めの音に、短くなればテンションは低くなり柔らかい音になります。
また押弦時の弾き心地も変わってきます。テンションが高いほど押さえにくくなりますが音程は安定して、低いほど押さえやすくなりますが音程はが少し不安的になります。
自分の好みに合ったスケールを選ぶことをおすすめします。
チェンバー加工
チェンバー加工とはボディ内部をくり抜き空洞にしてある加工のことです。
セミアコとの違いとしてはサウンドホールがあるかないかの違いです。なのでセミソリッドとも呼ばれるボデイ構造になります。
これによりハウリングがしにくく、ボディ鳴りが活きるようになりました。
ヘッドがない分「鳴りが悪い」と思われがちなヘッドレスの弱点をチェンバー加工で、補っているという感じですかね。
バーズアイ指板
EHB1000シリーズの指板(フレットボード)がバーズアイ(鳥眼杢)と呼ばれる珍しい木目の入った木材が使われています。
名前の通り鳥の目のように細かい模様が点在している木目をしており、木の美しさがより高級感を出してくれています。個人的にバーズアイ好きです笑
ボディ
ボディに使われている木材もモデルによって異なります。1000シリーズは「アメリカン・バスウッド」1500シリーズは「マホガニー」となっています。
バスウッド材は比較的重量も軽く、柔らかい材です。鳴りもクセがなくシンプルな木材になります。ギターの性能が直で活きてくると言った感じでしょうか。
マホガニーはレスポールで使用されていることで有名ですね!高音域より中音域がしっかり出る木材です。先ほども言いましたがトップにはバール杢が現れたポプラ材が使われています。
バール(burl)とは日本語で木の瘤(こぶ)のことを表しています。バール杢とはその名の通り木の瘤がたくさんあることで模様になっている杢目のことを指します。
ボディ加工もコンター(輪郭)加工やスランテッド(傾斜)加工など色々施されています。それにより演奏時のフィット感や取り回しがしやすくなっています。
コントロール部分
コントロール部分は少しややこしくなっています。ついている機能を見てみましょう。
「ボリューム」「ピックアップバランサー」「bass」「treble」「mid」「EQ bypass switch」
「mid frequency」です。
ボリュームは音量の調整、ピックアップバランサーはネック側とブリッジ側の出力バランスを調整できます。
bass、treble、midのコントロールノブはそれぞれの音域をブースト/カットできます。
EQ bypass switchによりそもそもイコライザーのオンオフを切り替えることができます。それによりbassなどは機能しなくなり、代わりに普通のトーン機能へと変化します。(パッシブになる)
関連記事:【2分で掴める】プリアンプの役割とは?イコライザとの違いを徹底解説!
EHBのオススメポイントでもあるのが「mid frequency」です。
これは通常bassやmidなどのブースト/カットの周波数はユーザー側が変化させることができないですがその周波数を変更できるのがこの機能の特徴です。
周波数が変われば音の高さや質も異なってきます。少しマニアックな部分かもしれませんが音に拘りたい人にはうってつけの機能となっています。
関連記事:周波数とは?
チューニング機構
EHBはヘッドがないのでペグもありません。どこでチューニングできるかというとブリッジ側についています。
フロイドローズなどにある「ファインチューナー」のような機構です。ストリングワインダーが使えないので少し面倒かもしれませんがコントロールノブのような回しノブがついていてそこを手動で回してチューニングします。
ヘッド側は弦を固定できるパーツだけがついており、六角レンチで固定できるようになっています。
フィンガーランプ
フィンガーランプとは指置きのことです。ベースを弾くときにピックアップに親指を置いたりしますがピックアップではなく指置き用の部分に置けるように付属されています。
両面テープでの着脱となっているため塗装への配慮が気になりますが、着脱を繰り返すことも少ないと思うので問題はないかと思います。
でもどうせならカチッとハマる機構にして欲しかったですね。
おすすめポイント
私が感じた他とは違うおすすめポイントはこちらです!
- 取り回しのしやすく軽いボディ
- バリエーションの豊富なコントロール部分
- ヘッドレスという奇抜さと斬新さ
- バッグによってはギターバックにも入るコンパクトさ
エレキベースの中でも独特で個性的な見た目のヘッドレス。ぜひどのような音がなるのか楽器店に行って音を確かめてみてください!
コメント
Great content! Keep up the good work!