- エレキギターのブリッジの種類
- トレモロブリッジとは?
- ブリッジの役割
- ブリッジの各部名称
エレキギターのブリッジとは?
ブリッジとは弦をボディの本体に固定するためのパーツになります。
アコギのブリッジは木製で細かい微調整はできないことが多いですが、エレキギターのブリッジは金属製で弦の高さや張力(テンション)、音程(オクターブ)が調整可能なブリッジがスタンダードです。
今回はエレキギターのブリッジについて解説していきます。
ブリッジの種類
ブリッジの中でも種類が分かれており、固定式のものといわゆる「トレモロ」と呼ばれる可動式の2種類が存在します。
ギターの種類によって方式も使い分けられており、レスポールなら固定式、ストラトなら可動式のようにそれぞれの特徴にあったブリッジが取り付けられています。
ブリッジのタイプは大きく分けて4種類です。
- チューン•オー•マティック(T•O•M)(レスポール)
- フィクスドブリッジ(ストラト)
- シンクロナイズドトレモロ(ストラト)
- テレキャスターブリッジ(テレキャス)
ストラトタイプに限り、フィクスドブリッジとトレモロブリッジの2タイプに分かれています。
ではそれぞれの特徴とメリット、デメリットを解説していきたいと思います。
チューン•オー•マティック(T•O•M)
このタイプはGibsonのレスポールやセミアコによく使われるブリッジです。
固定式でセパレート(分離)型のブリッジで「チューン•オー•マティック」と呼ばれるブリッジ本体部分と、「テールピース」と呼ばれる弦を固定する部分とに分かれています。
ブリッジとテールピースはスタッドと呼ばれるボルトで固定しますが、弦を張っていない状態では完全には固定されません。
関連記事:テールピースとは?
ABR-1とナッシュビルの違い
T•O•Mのブリッジは大きく分けて2種類に分かれます。
それが「ABR-1」と「ナッシュビル」です。
両者の大きな違いはスタッドボルトをボディに直接埋め込むか、アンカーと呼ばれる受け金具を介するかとサドルの可動範囲に多少の違いが生まれます。
またABR-1にはサドル部分に針金が組み込まれているのですがナッシュビルは針金が排除されました。
シンクロナイズド•トレモロ
可動式のブリッジでありトレモロと略されるブリッジは「シンクロナイズド•トレモロ」と言います。
1番の特徴としてブリッジが少し浮いている状態(フローティング)であることです。
フローティングしていることにより、アーミングと呼ばれる、アームを動かして音を激しく変化させる演奏方法にも対応できるようになりました。
シンクロと呼ばれる所以はアーミング時にブリッジもシンクロして振動することから名付けられています。
ブリッジはフロント側だけが固定されており、リア側は裏側に付けられたスプリングによりフローティング具合を調整できるように設計されています。
またそれにより弦交換やチューニングが少し大変になりますが、音のバリエーションが広がり、ボディ鳴りもより活きるようになりました。
しかし演奏中にもチューニングのズレは起きやすく、扱いが少し難しくなったので初心者にはレベルが高いかもしれません。
トレモロブリッジ関連の名称を軽くまとめて解説します。
- ザグリ→ボディに深く段差をつける
- フローティング→ブリッジがボディから浮いている状態
- スタッドボルト→ブリッジを固定するボルト
- スタッドアンカー→ギターに取り付いている受け側金具
- スタッドロック→ボルトの中のネジをさらに固定
- アームソケット→アームを入れる穴
フロイドローズ
「フロイドローズ」はトレモロ機構をより優れたものにするための機構です。
ブリッジの形状はトレモロと同じでフローティングしており、アーム操作をすることができます。
通常のトレモロとの違いはナット部分にあります。「ロッキング・ナット(ロックナット)」と呼ばれるパーツが付いておりブリッジ側だけでなくナット側でも弦を固定できるようになりました。
これによりトレモロ時に難点だったチューニングのズレが起きにくく、さらにより派手なアーミングにも対応できるようになりました。
さらにブリッジ側には「ファインチューナー」と呼ばれる細かいチューニング機構が搭載されています。これにより僅かなチューニングのズレをならロックナットを外さなくても簡単に微調整できるようになっています。
フィクスドブリッジ
ストラトタイプのギターによく使われている固定されたブリッジタイプを「フィクスドブリッジ」と呼びます。
「Fixed」とは「不動」や「一定」という意味を持つ英単語のため直訳すれば動かないブリッジになりますね!
固定力が高いため、チューニングの安定性が高いのがメリットです。
弦をボディのバックから通し、固定するタイプが多くエレキギターの中では一番スタンダードなブリッジタイプになります。
テレキャスターのブリッジ
テレキャスターのブリッジはブリッジプレート(エレベーションプレート)にピックアップをマウントすることで特徴的な音質に変化しています。
このプレートこそがテレキャスターのサウンドのきもでもあるのです。
サドル部分にも種類があり2弦ごとにしか弦高を調整できないビンテージな3ウェイタイプと各サドルごとにオクターブ調整が可能な6ウェイタイプが存在しています。
3ウェイのブリッジはオクターブ調整なんて出来なかった時代にフェンダー社が開発したブリッジ機構です。
関連記事:【エレキ】オクターブチューニングとは?調整のやり方とオクターブの意味を徹底解説!
少し話はそれますが、フレットは欲しい音程を簡単に出せるためのパーツでフレットがある分演奏は楽になります。しかしハイポジションを弾くときにフレットがあるおかげでハイポジを弾いた時に僅かですが弦によって音程が少しずれてしまいます。
その微妙なズレを補正するためにサドルに角度がついていたりします。アコギのサドルなんかは木製で角度が付いていますよね!
エレキのサドルは金属製で細かい調整ができるものが多いです。
アコースティックギターはハイポジションをあまり弾くことがありません。ボディ形状もハイポジションが弾きにくい形状になっている(カッタウェイがない)のはそのためです。
アコギはコード弾きをしたり上の方でのアルペジオ(一音ずつ弾く)演奏スタイルように作られたギターなのです。
一方エレキはハイポジションをガッツリ弾くことを前提に作られています。
そのためのカッタウェイであり、そのための細かい調整が可能なサドルが必要になってくるのです。
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