- ピックアップの仕組みと種類
- マグネティックピックアップの仕組み
- マグネティックピックアップの構造と細かい名称
ピックアップ(PU)とは?
エレキギターやエレクトリックアコースティックギター(エレアコ)には『ピックアップ(拾い上げる)』と呼ばれる音を拾うマイクのようなパーツが取り付けられています。
ピックアップの役割は音を拾うだけではなく音(弦の振動)を電気信号に変換して出力するのがピックアップの重要な役割になります。
エレキギターにおいて大事な役割を担うピックアップですが音を電気信号に変換する方法の違いから大きく分けて2種類に分かれます。
- 『マグネティックピックアップ』
- 『ピエゾピックアップ』
名称部分からほとんど答えが読み解けるのですがマグネティックピックアップは磁石を使って電気信号に、
ピエゾピックアップはピエゾ素子と言う特殊な圧電素子を使って電気信号に変換しています。
今回はマグネティックピックアップの仕組みと構造について詳しく解説していきます。
ピエゾピックアップの仕組みみ知りたいという方はこちらの記事をチェック!
マグネティックピックアップの種類
磁石を使って電気信号に変換を行うマグネティックピックアップはさらに『シングルコイルピックアップ』と『ハムバッキングピックアップ(ハムバッカー)』の2種類に分かれます。
☟シングルコイルピックアップとハムバッカーはこんな感じのやつです。
それぞれに得意とする音や特徴に違いがあるので詳しくはこちらをご覧ください。
マグネティックピックアップの仕組み
マグネティックピックアップの仕組みは磁石が肝を握ってきます。
音に変換する仕組みとしては、まず磁石は常に目には見えない磁界を生み出しています。そして弦に振動が発生すると磁石から出ている磁界が乱されます。
磁界が乱されることが引き鉄となり電流が生まれ、その電流で音を電気信号に変換するという仕組みです。
最初はなにやらよくわからないと思いますのでまずはピックアップの各部名称と構造を見ていきましょう。
ピックアップの構造と各部名称
マグネティックピックアップの構造の中でも重要なのが『ポールピース』と『コイル』の2つです。
上画像を見てもらうとわかりやすいとは思いますが、ポールピースは表側にも出ている銀色の部分です。コイルは普段はギターの中に埋もれているため見る機会は少ないですが、このようにピックアップの周りをぐるぐると巻いてある銅線のことを指しています。
この2つは後でさらに詳しく掘り下げていきます。
マグネティックピックアップを分解すると☝このような感じになります。
1つ1つのパーツの役割と名称を見ていきましょう!
◆ボビン
ボビンは実際にコイルが巻かれているパーツです。ボビンの中心にはポールピースが通っており、ポールピースに直接コイルを巻くのではなくボビンに巻いてあります。
◆台座プレート
ピックアップの土台部分。これは物によってあったりなかったりします。ピックアップをピックガード裏や本体に固定する時に台座プレートにネジを差して固定します。
◆マグネット
ポールピースに磁力がない場合は、ピックアップの下側にマグネットが入っています。このマグネットがポールピースと触れていることでポールピースは磁力を帯びているのです。アルニコやフェライト、セラミックと言った種類のマグネットが使われています。
アルニコ(Alnico)とはアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)の合金。アルニコ5などがあり後についている数字が高いほど磁気が強くハッキリとした音立ちで高出力なのが特徴です。
◆スペーサー
台座プレートにマグネットなどを入れても隙間がどうしてもできてしまいます。そこの穴埋めのために入っているパーツです。
◆ピックアップカバー
言葉通りのピックアップの上側に被せて、保護や見た目のすっきり感を出すカバーです。
ポールピースとは?
『ポールピース』とは、ピックアップの中心部についている銀色の棒の事を差します。
通常ギターについている状態では、頭の部分しか見えていないのでただの丸に見えますが、取り出してみると棒状になっています。
ポールピースは永久磁石のため、目には見えない磁界を生み出しており、その磁界を弦の振動が乱すことによって電流が生まれ音を電気信号に変換するのがピックアップの仕組みなのは最初にも説明しましたね!
しかしここからが重要で、磁界を乱すことができるのは、磁性体(磁石にくっつくもの)による振動です。
そして実はエレキギターにアコギ用の弦を張ってもピックアップは音を拾ってくれません。
エレキ弦にはアコギ弦とは違い『ニッケル』と言う磁石に反応する成分が多く含まれています。一方アコギ弦は自制隊である必要がないため磁石に反応しない銅などが使われています。
そのためエレキギターにアコギ弦を張っても、磁性体の含まれていないアコギ弦ではピックアップが音を拾うことができないのです。
アコギ弦同様にエレキギターの弦をただの紐などに変えてみると、ピックアップは音を拾わないため、エレキギターとしての使用はできなくなってしまいます。
ピックアップに使われている磁石(ポールピース)の数は6本です。6本ある理由はそのまま、6本ある弦の音を拾いやすくするためです。ポールピースの真上に弦がしっかりある方が弦の振動(音)を顕著に拾ってくれるのです。
マグネティックピックアップには、ポールピース自体が磁石の物とポールピースの下にマグネットが別で入っている場合の2種類があります。その場合ポールピースに磁力はなく鉄製の芯棒になります。
【ポールピースの名前の由来】~知ってると驚かれる豆知識~
- 難しい話になりますが、ピックアップの上面に出ているポールピースの磁極(NとかSとか)はどちらか片方になります。片方に磁気しか帯びていないものを『モノポール(磁気単極体)』と呼びます。さらに極点(片方の磁極の場所)を『ポール』とも呼ぶのでここから『ポールピース』と呼ばれるようになったと言われています。
【+の与太話】
- 地球にも『ポール』があります。それは南極(S)と北極(N)です。我々の住む地球には『ポールシフト』と呼ばれる南極と北極の磁極(NとS)が入れ替わる現象が起こるのです。今起こると南極が(N)に北極が(S)に。過去に11回起きていて地球全体んの時期が乱れるため、大変危険と言われています。
コイルとは?
ピックアップの心臓部とも言えるのが『コイル』です。
普段はボディの中に埋まっていますし、取り出してもコイルの周りには布やテープが(アセテート)してある場合が多いのでなかなか見る機会は少ないと思います。
コイルの材質はエナメル線です。これを数千~1万回程度ぐるぐる巻きつけてコイルになります。コイルの巻数、太さ、材質によっても生み出される音は大きく変わってくるのです。
ちなみに製作工場では1秒間に4000回くらい巻ける機械を使ってコイルが作られています。なので、およそ2秒くらいで1つのコイルが完成します。
~コイルと音の関係~
コイルの巻き数を増やせば、出力(音のパワー)が増幅しますがノイズ(雑音)を拾いやすくなってしまい、
コイルの巻き数を減らせば、出力は下がりますが、ノイズには強くなります。
また巻き数が同じ場合は、縦長に巻かれたコイルの方が高音が強調され、平べったいほど低音が強調されます。
【コイルに欠かせない含侵(ポッシング)】~知ってると驚かれる豆知識~
- ピックアップにコイルをただ巻いただけでは、コイルそのものが振動してしまいハウリングやノイズの原因になります。そのためコイルはワックスを染み込ませて固めてあるのが普通です。この作業を『含侵(がんしん)』又は『ポッシング』と言います。
数千回巻かれたコイルにワックスを染み込ませる(含侵)のは難しく、工場では真空にして染み込みやすくしています。これは真空にする際中に、内部の空気がどんどん吸い出されていくため効率よく浸透しやすくなります。
マグネティックピックアップの構造まとめ
- ピックアップは『マグネティックピックアップ』と『ピエゾピックアップ』に分かれる
- マグネティックピックアップの仕組みは、磁石の磁界を乱されることで電流を生み電気信号に変換する仕組み
- ポールピースとコイルがピックアップの構造の心臓部に当たりこの2つ次第で音も変化する
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