【アコギ】ピエゾピックアップの仕組みと種類を解説

【アコギ】ピエゾピックアップの仕組みと種類を解説Acoustic Guiter
この記事から分かること
  • ピエゾピックアップとは?
  • ピエゾピックアップの仕組み
  • エレクトリックアコースティックギター(エレアコ)にピエゾPUが使われる理由

エレアコに使われるピックアップの種類

エレキギターのピックアップではなく、エレクトリックアコースティックギター(エレアコ)に使われるピックアップには3種類あります。

  • マグネティックピックアップ
  • ピエゾピックアップ
  • コンデンサーマイク

『マグネティックピックアップ』はエレキギターに使われる磁石を使ったピックアップで

『ピエゾピックアップ』は今回説明するピックアップ

『コンデンサーマイク』は、ピックアップと言うよりはマイクで音を拾う感じの仕組みになります。

それでは『ピエゾピックアップ』がどのようなものなのか見ていきましょう!

ピエゾピックアップとは?仕組みと原理

ピエゾピックアップとは、マグネティックピックアップとは違い磁石は使用しません。

その代わりに使われるのが『ピエゾ素子』と呼ばれる結晶です。

ピエゾ素子は別名『圧電素子』とも呼ばれ、圧したりねじる等の力を加えると結晶内に含まれている電荷(物体に帯びている電気の量)が+と-に分かれることにより電圧が発生する特殊な結晶です。

このピエゾ素子は可逆性(一度進んだりしたものが、元に戻れる性質)を持っています。力を加えて電圧を生むのと逆に電圧を特定に面にかけてあげると結晶体がまた変化します。なので、一度電圧を生み出したら使えなくなることはなく、電圧をもう一度かけてあげると何度でもその性質を繰り返すことができるのです。

この性質を利用して作られたのがエレアコに使用される『ピエゾピックアップ』になります。

ピエゾ素子を箱の中にいれ、それを特定の場所に取り付けるます。その箱が振動することにより電圧が生まれ電気信号に変換、アンプから音を出力することができるのです。

ピエゾ素子のピエゾをそのままとったネーミングで分かりやすいですね!

※ピエゾピックアップは内部に取り付けられているためあまり見ることができません。

☆ピエゾ素子の豆知識

ピエゾ素子はギターのピックアップ以外にも様々な物に使用されています。

例えば、コンロやライターなどの発火装置。小さな力で大きな電圧を確保でき、火が付くのに十分な放電が得られるのでピエゾ素子が使用されています。それ以外にも、軍事用のジャイロセンサーやインクジェットプリンタの射出する機能にも使用されているのがピエゾ素子だったりするのです。

エレアコにピエゾピックアップが使用される理由

エレアコにはマグネティックピックアップよりもピエゾピックアップが使われているモデルのが圧倒的に多いです。

ではなぜマグネティックピックアップではなくピエゾピックアップが使用されるのでしょうか?

それは、ピエゾPUの方が弦やボディの振動をダイレクトに拾ってくれるからです。

エレアコと言うかアコースティックギターは、ボディ内の空洞に音が反響して音を奏でています。それと同時にボディも大きく振動しているのです。エレキギターはソリッド(単坂)でボディ内に空洞はないので、ボディの振動はアコギに比べるとかなり少ないです。

アコギの音を構成している大きな要素にボディの振動があるんですね。なのでマグネティックピックアップのように弦振動は顕著に拾ってもボディ振動をあまり拾わないピックアップでは、アコギの大事な要素を半減させてしまうのです。

ピエゾピックアップのメリットデメリット

【ピエゾピックアップのメリット】

  • 音の立ち上がりが良い
  • サステイン(音の伸び)が自然に減衰
  • 音量もしっかり出る
  • 透明感があるクリアなサウンド
  • 高音域が綺麗に出る

【ピエゾピックアップのデメリット】

  • 演奏上にいらないボディ鳴りまで捉えてしまう
  • 弦を指で擦った音が強調されやすい
  • ハウリング(マイクがキーンとなるようなやつ)に弱い
  • 音質に若干のバラつき
  • 出力が弱い
  • 上2つの理由からプリアンプ(※)での補正が必須
  • 低音域が出にくい

また、アコギ弦に関わらず、ナイロン弦のクラシックギターにも使用できるのがピエゾピックアップの利点でもあります。弦の材質にこだわらず、振動や圧さえかかればいいので使いやすいです。

エレアコにマグネティックピックアップを付けるメリットデメリット

エレアコに付いているマグネティックピックアップ
エレアコに付いているマグネティックピックアップ

【マグネティックピックアップのメリット】

  • ハウリングに強い
  • アコギサウンド×マグネティックPUの独特のサウンド
  • 出力が強くパワーが出る
  • 音質〇
  • 低音域もしっかり出る

【マグネティックピックアップのデメリット】

  • 音がこもってしまう
  • ボディ鳴りを拾ってくれない
  • 弦をアコギ弦ではなく磁性体(磁石にくっつく物)の入ったものに変えなくてはいけない=ナイロン弦のクラシックギターには使用不可

ピエゾピックアップの種類

ピエゾピックアップにはその設置の仕方から2種類に分かれます。

  • コンタクトピックアップ
  • インブリッジピックアップ

これは、付け方が異なりそれによって音の拾い方や取り付けのしやすさなども大きく変化します。

ピエゾPUの種類1:~コンタクトピックアップ~

コンタクトピックアップ(ボディ内部に張り付いている)
コンタクトピックアップ(ボディ内部に張り付いている)

昔から使用されていたのがこの『コンタクトピックアップ』と言う方式になります。

これはボディの内部に貼り付けるタイプのピエゾピックアップです。

【コンタクトピックアップのメリット】

  • ギターに大きな加工をしなくても簡単に取り付けることができる
  • ボディ鳴り(ボディの振動)をしっかり拾ってくれる

【コンタクトピックアップのデメリット】

  • 付ける場所により音が大きく変わるためべスポジを探すのが困難
  • インブリッジに比べるとハウリングに弱く音量、音質でも少し劣る

以前はコンタクトピックアップが主流でしたが、今はインブリッジピックアップが主流になっています。

ピエゾPUの種類2:~インブリッジピックアップ~

インブリッジピックアップ(サドルの下に入っている)
インブリッジピックアップ(サドルの下に入っている)

コンタクトピックアップの後に開発されたのが『インブリッジピックアップ』です。

これはブリッジのサドル部分の下に内蔵するタイプのピエゾピックアップです。

【インブリッジピックアップのメリット】

  • 安定した音量、音質
  • ハウリングにも若干強い

【インブリッジピックアップのデメリット】

  • 取り付けにギターを加工しなくてはいけない
  • ボディ鳴りを若干拾いずらい

『ピエゾPUとは』終わりに・・・

ピックアップピックアップはデメリットも割と多いですが

エレアコ×ピエゾPUの相性は抜群で、アコギの良い所をしっかり引き出してくれているピックアップになります。

ピエゾピックアップは、低音域にはあまり強くないため、どちらかと言うとエレアコべよりエレアコギに向いているピックアップです。

エレアコにピエゾピックアップが使用される一番の理由は

アコースティックの最大の特徴のボディ鳴りをしっかり拾ってくれるのが利点と私は思います。

ご覧いただきありがとうございました。

コメント

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