ギターの音を構成している要素には大きく関わってくるところでボディ材や、ピックアップの種類、弦などたくさんあります。
その中でも弦に関しては弦の長さ(振動する弦の長さ)や弦の材質、張力など、影響を与えている要素は数知れません。
その弦と密に関わっているのがヘッド側についているペグという部品です。
今回はその『ペグ』について掘り下げていきましょう。
ペグ(マシンヘッド)とは
『ペグ』というのはヘッドについている弦を巻きつけ固定している部分のことを差します。
日本語では『糸巻き』と呼ばれ、『マシンヘッド』なんて呼び方も存在します。
『ペグ』というのはもともと『木栓』という意味で、今でこそギターは金属のペグが主流ですが、昔は木製のペグが当たり前でした。
当時はテーパー加工(先が段々細くなっていく加工です)を施した『木栓』に弦を巻き付けて、ヘッドに空けた穴に差し込み固定していたのです。
(テーパー加工をした代表作に『テーパードパンツ』などがありますね!ウエストが太くて足元がシュッとした細めのズボンです!)
今でもヴァイオリンや三味線、チェロなどは金属を使うことなく木栓を用いた下画像のような仕組みで弦を固定しています!
しかし今のエレキギターにはもう金属製のペグしかありません!
それは金属製のが固定力が強いからです。エレキギターなどに張られている弦はヴァイオリンなどに比べると張力が強く、木栓では抜けてしまうのです。
金属製ペグの仕組み
金属製のペグの仕組みは『ウォーム・ギア』という機構が使われています!
ウォームギアは、ねじ歯車(ウォーム)とそれに合うはす歯(斜歯)歯車(ウォームホイール)を組み合わせた機構である。
出典:Wikipedia
これはいろいろなところで用いられる歯車機構の一つで小さいながらも大きな力にも負けないほどの働きをしているのです。ウォーム・ギア機構の導入により張力が強くても、耐えることができるようになり、より安定して音が出せるようになりました。
『マシンヘッド』という呼び方はどちらかと言うと金属製のペグに対して使われているイメージですね。
弦がギターにしっかり固定できるかできないかでチューニングの安定度が大きく変わってきます。
固定力の強い金属ペグはパツパツに張った弦の張力にも負けません。だからこそシビアな音の変化が昔から求められるエレキギターには金属製のペグが主流になってきたのです!
ストリング・ロック・システム
弦を固定するという話の派生で、ストリング・ロック・システムを紹介いたします。
ストリング・ロック・システムとは弦をナットの部分でロックしてしまうことにより、マシンヘッドが与えるチューニングの安定度への影響はなくすことができる機構です。
ロックナットやトップロックと呼ばれるこの部分は、3個の『プレッシャーパッド』(画像の金属部分)と『プレッシャーパッドボルト』(画像の黒いネジ)によってしっかり固定することができます。
チューニングする際にロックナットを外さなければいけないのは面倒ですが、ブリッジ側に多少ですが弦の張り具合(チューニング)を調整できる機能の付いた『ファイン・チューナー』がついています。
ペグ(マシンヘッド)を作っているメーカーはシャーラー社やグローバー社、ゴトー社などが有名で『オープングローバー』や『マグナムロック』など独自のペグが数々出てきています。
『マグナムロック』などは、ロックタイプのマシンヘッドというタイプで、これは弦を巻かずにロックする方式です。
巻かれた弦ですらチューニングを不安定にする要素であったため、ほぼ弦を巻かなくても固定できるロックタイプはチューニングが安定しやすいのです。
ちなみにペグのこの部分は『ペグポスト』と言います!
弦によって高さを調節できたりします。
ヘッドレスギター
今まで紹介してきた概念を吹き飛ばしたのが1981年にスタインバーガーという楽器メーカーが発売したヘッドレスギターです。
ヘッドレスの言葉通りヘッド部分がないのが特徴のギター。つまりペグ自体が存在しないのです。
ではギターに欠かせないチューニング機能はどこへ行ってしまったのでしょうか?
ヘッド部分に備えられていたチューニング機能はブリッジ側に移動しているのです。
他にもヘッドレスベースなども出てきて良い意味での固定概念が払拭されつつありますね!
楽器屋さんで、一度探してみて下さい!
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[…] ギターペグの仕組みとは!歴史を見ると名前の由来も見えてくる! […]
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