- IbanezのSRシリーズとは?
- SRシリーズのラインナップの違いや特徴
- SR300〜の魅力とオススメポイント
IbanezのSR(サウンドギア)シリーズ
海外の楽器メーカー(GIBSONやFenderなど)がひしめく楽器業界ですが日本メーカーも負けてはいません。YAMAHAやIbanezなど独自のスタンスでそれなりのシェアバランスを得ています。
今回紹介するのはメタルに特化した『Ibanez(アイバニーズ/イバニーズ)』です。ベースの中でもBTBシリーズやTalmanシリーズなど色々ありますが今回はSRシリーズについて解説して行きます。
SRシリーズは『サウンドギア(SoundgeaR)』という名称のシリーズになります。特徴はなんといってもそのスリムさ。
ボディからネックに至るまで細部が薄く加工されています。ボディにはアーチドトップと呼ばれるボディトップを湾曲させる加工が施されておりさらに軽量化かつ取り回ししやすくなっています。
見た目も全体的にコンパクトな印象で良い意味で重厚感がなく軽いのが良いですね!
SRシリーズの中の種類
SRシリーズは人気のシリーズなので中には数多くの種類がラインナップされています。たくさんある種類の違いと特徴を見ながら自分の欲しいSRシリーズを見極めて行きましょう!
マルチスケール
品番:SRMS〜
品番の「MS」とは「マルチスケール」の略称です。マルチスケールとは別名ファンドフレットとも呼ばれスケールの長さが各弦ごとに異なるように設計されています。
実際にSRシリーズでは6弦側と1弦側のスケールでは50mmほどの差が生まれています。マルチスケールにすることで得られるメリットは正確な音程が得やすくなることです。
それぞれの弦のスケールが適切になるのでオクターブチューニングが比較的合わせやすくなっています。
関連記事:【ギター】ネックスケールの長さの種類と違いを徹底解説!フレット数とは無関係?
セミホロウボディ
品番:SRH〜
SRH〜で始まる品番はベースのボディがセミホロウになっています。
違いはボディ内部だけではなく、ピックアップもマグネティックではなくピエゾピックアップとなっています。
ピエゾピックアップはエレアコなどによく使われるピックアップで磁石を使わずにピエゾ素子という素子を使って電気信号に変換します。
マグネティックよりボディ本体の振動を拾いやすくセミホロウになっているメリットを最大限活かせるピックアップこそがピエゾなのです。
セミホロウベースであるSRH〜はエレキベースながらウッドベースのような温かみのある音を奏でることができるのがSRHの特徴です。
アンプを通してというより生音の方がよりウッドベースに近い音を奏でることができます。
フレットレス
品番:SRF〜
SRH〜とSRF〜で始まる品番はフレットレスになっています。
先程紹介したセミホロウベースもフレットレスです。ウッドベース(コントラバス)などは元々フレットレスが当たり前なのでより寄せているのでしょう。
フレットレスになる分出せる音程の幅はグンと広がりますが演奏の難しさは格段に上がります。
またSRFはスルーネック仕様となっています。
スルーネックとはネックがボディエンドまで突き抜けている形状を指します。ネックの両脇にウイング材と呼ばれるボディ材で挟み込み1つのボディを組み上げる感じです。
スルーネックであるメリットはネックがしっかりボディとくっついているため振動にブレがなく豊かな音の伸び(サステイン)が利点です。
他のジョイント方式であるボルトオンなどはネックとボディが取り外しできるため安物だとしっかりハマっていないこともありセンターズレや音の響きが悪くなるなどのデメリットが生まれてしまいます。
ですがネック交換が容易なためメリットも大きいのがボルトオンの利点でもあります。
関連記事:ギターネックのジョイント方式の違いと特徴と見分け方!
多弦ベース
品番:SR〇〇5(6)〜
SRシリーズはベースでは基本的な4弦から、ギターと同じ6弦ベースまで存在します。
品番では305や506などといった数字の末尾が弦数を表しているようです。(4弦は300や500など表記なし)
6弦ベースとギターの違い
6弦ギターと6弦ベースは同じ6弦で何が違うの?と思いますが、使用している弦の太さとチューニング(合わせる音程)が異なります。
ギターではEADGBEで09〜46ゲージ
6弦ベースではBEADGCで032〜130ゲージの弦を使用します。
全体的に弦が太く音程も低いのが分かりますね!
レフティモデル
品番:SR〇〇L〜
左利き用のベースも発売されています。
右利きの人は左にネックが来ますが左利きモデルは右にネックを持ってくることを想定して作られています。
左利き用のギターも数多く出回ってきているのでレフティには嬉しいラインナップですね!
SR300シリーズを評価
SRシリーズの中でも手に入れやすいのが SR300番台シリーズです。
価格も他のSRに比べると安めに設定されておりカラーバリエーションも豊富なので人気の高いモデルとなっています。
気になるSR300番台のスペックを解説していきます。
スリムなボディとネック
SRの特徴であるスリムさは実際に持ってみてこそわかります。
重量も軽く、薄いボディは良い意味で存在感をなくしています。
通常のベースよりネックも細く日本人のように手が小さめの人にぴったりフィットするように作られています。
5pcsのスリムなネック
ネック部分はメープル材とウォルナット材を組み合わせた5層構造になっています。
ウォルナットは硬く強い木材で、衝撃に強い特性を持っています。濃いめの茶色をしており見た目にも特徴がある木材です。
5層構造になっていることで強度も上がりネックがベースの太い弦の張力にも負けないように設計されています。ネックの強度はネックの反りや音のビビりなどの原因になるので購入する際には注意したいポイントでもあります。
コントロール部分
コントロール部分は音量を調節できる「ボリューム」とピックアップの出力を切り替える「バランサー」、各3音域のイコライザーが搭載されています。
いわゆる「アクティブベース」と呼ばれる分類になります。アクティブベースは音を自在に調整できることがメリットですが、外部に電源を必要とします。
なので9vの電池がボディの裏側に組み込まれています。電池切れも起こすので音がおかしくなってきたりイコライザーが効かなくなってきたら電池交換をしてみてください。
ボリュームは言うまでもなく音量を調整できる部分です。
バランサーは使うことでネック側(フロント)に付いているPUとブリッジ側(リア)についているPUの音の割合を変更できます。
例えばノブをリア側に振り切ればフロント側のPUは音が出なくなり(音を拾わなくなり)、真ん中にすれば両方のPU出力バランスが5分5分で出力されます。
ピックアップのメインに鳴らす場所(フロント側orリア側)を調整することにより音にも変化が生まれます。
ピックアップはついている位置によって音が変わるのです。
『フロント側のPUは柔らかめの音、リア側のPUは硬めの音』がします。歪ませたいのであればリア、甘く優しいサウンドが欲しいのであればフロントを使うと言ったようにピックアップの特色を切り替えながら使うとより良い音を奏でてくれます。
↓詳しくはこちらをご覧ください
関連記事:コイルタップとは?ピックアップの動きと仕組みを解説!
イコライザーとは音を調節するための機能です。SRシリーズにはベース(低音域)、ミドル(中音域)トレブル(高音域)の3音域のブースト/カットが調節できる3-bandイコライザーがついています。
ブースト/カットの言葉通りノブを回した音域がブースト(フルテン)にすれば強調され、カット(絞れば)すれば出なくなります。
各3音域を自由に操れるので多彩な音作りが可能になりますね!
3way power tap switch
コントロール部分にはもう一つスイッチがついています。
それが「3way power tap switch」です。
これはピックアップのモードをタップ、シリーズ、パワータップに切り替えることができるスイッチです。
SR300シリーズについているピックアップはハムバッカーです。ハムバッカーはノイズに強く、出力も大きいのが特徴のピックアップです。
そのハムバッカーをシングルコイルピックアップのような音に近づけることができるのが「タップモード」です。
タップはハムバッカーの2つあるコイルのうち1つを鳴らさないことにより実質シングルのような音を奏でることができます。
通常のハムバッカーとして、音を出すときは「シリーズモード」です。シリーズとは「直列」という意味で特に変わった挙動をせずに繋ぐと思ってください。
そして最後が「パワータップモード」。
パワータップは通常のタップ(ハムの片側だけ鳴らす)に加えて鳴らさなかった側も低音域だけ鳴らすことで通常のタップとのニュアンスが変わってきます。
低音域が強調されるので一度モードを切り替えながら試して見ると違いが分かりやすいと思います。
私が思うSRシリーズのオススメポイント
- スリムで取り回ししやすいボディ
- 日本人の小さい手にフィットする細めのネック
- アクティブベースで音を自在にいじれる
SRシリーズは音楽を楽しみたい人や色々な音の変化を試してみたい人にうってつけのベースです!
デメリットとしては電池交換をしなくてはいけないことや細すぎるボディやネックに合わない人、軽すぎる分音の出力が少し物足りない気がするくらいでしょうか。
皆様の参考になれば嬉しいです!
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