島村楽器オリジナルブランド『RYOGA』
島村楽器といえば楽器の小売店としてだけでなく独自の楽器ブランドをいくつも展開しています。
中でもハイエンドなアコースティックギターの『HISTORY(ヒストリー)』や日本製に拘ったエレキギターの『Cool Z(クールジー)』などは大手メーカーにも引け目を取らずに評価もされています。
今回紹介する『RYOGA(リョウガ)』は弾きやすさやフィット感など、ギターを選ぶ決め手としてもかかせない部分に特化したオリジナルブランドです。
まだまだ誕生してまもないブランドだからこそどんな魅力があるのかを解説していきたいと思います。
関連記事:【レビュー】CoolZのギターの特徴は?島村オリジナルブランドを解説!
RYOGA(リョウガ)シリーズの種類
RYOGA(リョウガ)の中にも価格帯とモデルからシリーズが分かれています。
◆価格帯での種別
- Proシリーズ
- Standardシリーズ
- LEシリーズ
Proシリーズは良い木材と良いパーツを使用し、個々のギターにも外見や音の部分で個性が出ています。
Standardシリーズは中価格帯のシリーズ。Proシリーズは高すぎて買えないけどパーツや木材にはこだわりがある人向けに作られています。
LEシリーズは低価格の海外生産シリーズ。初心者向けに作られているギターでパーツや作りのグレードは落ちますがリョウガらしさは残したシリーズとなっています。
◆発売されているエレキギターモデル
- ストラトモチーフの『SKEATER(スケーター)』
- レスポールモチーフの『HORNET(ホーネット)』
- 外観はレスポールながらもボディ内部をくりぬいたセミアコの『CICADA』
- …etc
LEシリーズ
LEシリーズは6万〜9万くらいとRYOGAの中では最安値のシリーズです。とはいえボディ形状やバランスなどRYOGAのメリットは損なわずそれなりのクオリティは維持されています。
ラインナップはSKEATER(ストラト)とHORNET(レスポール)の2モデルです。4種類のエレキギターが展開されておりそれぞれにカラーバリエーションが用意されています。
中でもLEとLECに分かれています。
LEは中でも価格を抑えたシリーズLECはボディ材やネックの強度、ジョイント方式などが異なり、より質の高いものとなっています。
SKEATER(スケーター)のLEとLECの違いと特徴
SKEATERではボディ材、ネック材、そして付属するバッグが変わってきます。
ボディ材はポプラからアルダーへ、そしてトップ材にアッシュが使用されました。
ポプラ材は比較的安めのギターに使われることの多い木材です。悪く言うとアルダーの劣化版という感じですが軽めで高音域はよく出る木材です。
一方アルダーは音域のバランスが良いとされる、いわゆるギター材としてスタンダードな木材。中音域がよく鳴るためギターとの相性は◎です。
ネックはハードメイプル1ピースだったものからハードメイプルとウォルナットの5ピースに変わり、強度が向上しました。
ハードメイプルは硬く、重めの材です。ネック材として重宝されている材なので安心できます。ウォルナットはいわゆる「クルミの木」です。色は濃いめの茶色なのが特徴的です。
強度が上がったことで変わってくるのはネックの反りにくさです。我が国日本は湿気が多く温度変化も激しいため木材に対してはあまり良い環境とは言えません。ネックの反り問題も頻繁に起こってしまう環境下なのです。
ネックの強度が上がればネックが反りにくくなります。ネックの反りはフレット・バズ(音のビビり)やチューニングがずれやすくなってしまうなどの症状をひき起こしてしまいます。なのでネックの強度が上がることは嬉しいことなんですね!
全体的な重量も若干減り、付属バッグもソフトケースからギグバッグへグレードアップされています。
ソフトケースとはペラペラでバッグだけでは自立しないバッグのことです。ギグバッグとはギターの形にクッションが入っておりバッグだけで自立するほど形がしっかりしたバッグのことを指します。
関連記事:ギグバッグとは?ギターバッグの種類と特徴を知ってバッグを選ぼう!
コントロール部はボリュームとトーン、そして3wayのセレクタースイッチ(F/F+R/R)を搭載しています。
SKEATER | LE | LEC |
---|---|---|
ボディ材 | ポプラ | アルダー+アッシュ(トップ) |
ネック材 | ハードメイプル(1P) | ハードメイプル+ウォルナット(5P) |
重量 | 3.2kg | 3.1kg |
付属BAG | ソフトケース | ギグバッグ |
- 使われているマテリアルがグレードアップ
- ネックの強度が向上しネックが反りにくくなった
HORNET(ホーネット)のLEとLECの違いと特徴
HORNETはボディ材は変わらずトップ材にスワンプアッシュが施されました。
スワンプアッシュは重量がかなり軽めで細く細かい木目が特徴の材です。トップをスワンプアッシュにすることで綺麗な木目を出し、なおかつ軽量化しています。見た目にもLEシリーズとは大きく異なりより高級感あふれる外見となっています。
ネック材はハードメイプルからアフリカンマホガニーへ代わりました。
HORNETもそうであるようにボディのバッグ材として使われることの多いマホガニー。マホガニーはマホガニーらしい独特の赤めの色をしているのが特徴です。そのマホガニーをボディにもネックにも使うことでより甘い音を奏でられるようになっています。
ジョイント部も代わり、ボルトオンタイプからセットネックへ変更されました。
セットネックになったことによりボディとネックの密着性が高まることでギター全体の一体感が増し音(振動)が全体に伝わりやすくなります。
また接合強度も高いため、ジョインド部がズレにくく、センターズレを起こす可能性も減りました。
デメリットとしてはネックやボディのどちらがおかしくなるとその部分だけの取り替えができないことくらいですかね。。
とはいえそのレベルであれば新しく買いなおした方が良いことが多いのであまり気にしなくても良いかもしれません。
関連記事:ギターネックのジョイント方式の違いと特徴と見分け方!
重量も3.1k g→2.8Kgと大幅に軽くなりました。持った感想はとにかく軽い!でしょう!
ギターは軽いほど確かに音の重厚感やペラペラの音に聞こえがちになってしまうかもしれません。しかし長時間持ち続けてもストラップ部分が痛くならず、また取り回しもしやすいことが演奏しやすさに直結しているのは間違いありません!
HORNET | LE | LEC |
---|---|---|
ボディ材 | マホガニー | マホガニー+スワンプアッシュ(トップ) |
ネック材 | ハードメイプル(1P) | アフリカンマホガニー(5P) |
ジョイント | ボルトオン | セットネック |
重量 | 3.1kg | 2.8kg |
付属BAG | ソフトケース | ギグバッグ |
- ボディトップに木目が際立つスワンプアッシュ
- ジョイント部がセットネックになりジョイント部の強度も上昇
- 重量が激減!2.8kgという驚きの軽さ
RYOGA(リョウガ)LEシリーズのオススメポイント
独特のボディ形状(オフセット・ウエスト)
RYOGA(リョウガ)の中でもSKEATER(スケーター)は独特のボディ形状をしています。
斜めに伸びたようなボディはジャガーやジャズマスターを思わせるデザインとなっています。それらに似せてなのかギターのくびれ部分は『オフセット•ウェスト•デザイン』と呼ばれる左右非対称のくびれとなっています。
そして何よりボディバランスを考えられているのが1番の強みです。構えたときのネックの重量やボディの重量、重心の位置などを1番負荷の少ないバランスを追求し実現しているそうです。
実際に持ってみるとヘッドが重く構えた時にヘッドが下がってしまう「ヘッド落ち」が起きない設計になっていることがわかります。
ミディアムスケール
スケール(弦長)の長さは628mmの「ミディアムスケール」が採用されています。スケールとはナットからブリッジまでの距離のこと指します。このスケールの長さで異なるのはフレットの間隔と出せる音の高さです。
普通のストラトやテレキャスは647mmの「レギュラースケール」と呼ばれるものがほとんどです。逆にミディアムスケールが採用されているモデルはレスポールなどがおなじみです。
ミディアムスケールを採用することでフレットの間隔が気持ち狭くなり、指が小さい人にはちょうど良く、指が大きい人には少し弾きにくく感じる人もいると思います。
自分の手の大きさを見ながらスケールを選ぶことをオススメします!
関連記事:【ギター】ネックスケールの長さの種類と違いを徹底解説!フレット数とは無関係?
保証が3年
ギターの保証が3年もついています。1年しか保証がないメーカーもあるのでこれは嬉しいですね!
ギターが急に音が出なくなってしまったり、故障してしまった時にかかるお金は以外と高いものです。保証期間内であれば無料でやってくれますし、安心して使えます。
LEシリーズはこんな人にオススメ!
- 安すぎないギターを探している
- 手はあまり大きくない
- 演奏しやすさを重視している
- 抱えたときの重さが気になる
- 良いものならメーカは気にしない
- 長期保証で安心
島村楽器オリジナルブランド『RYOGA』は大手メーカーにひけを取らないほどにこだわりが詰め込まれたシリーズです。
この記事が少しでもRYOGAを気になった方のお力になれていたら嬉しいです!
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